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2009年01月05日
ep7 atlas & loads 〜second part〜
「科学信者のお前がなぜ、こんなモノを持っている!? どこで手に入れた!?」
数分間、板を凝視していたロドスが振り返って聞いてきた。
その表情は先程までとはまるで違う。
空気を切り裂くような、その鋭い眼光は思わず息を飲むほどのものだった。
エイベルは瞬時に、この板の真の価値の大きさを理解した。
「あ、ああ。 それは息子が海で拾ってきたものなんだ…。
お前も知っているだろう…去年の夏、ジューンが行方不明になった事件。」
「おう、あれか。 …それで?」
ロドスは板から目を離す事なく返事をしている。
「一週間、まるで行方が判らなかった。
本人も漂流している間、どれだけの時間が流れたのかはよくわからなかったらしい。
記憶も飛び飛びになっているようだが。
最終的に救助されたとき、そいつが服のポケットの中に入っていたと言うのだ。」
「ほう…。
ジューンが助け出されたのは、確か海岸より約5000メルラ沖だったな。
…ヴェールステラ絶対海域よりも、さらに沖合いだ。
その未知なる領域に、古代の奇跡が眠っている可能性があるというのか。」
板を見ながらロドスは話し続けた。
「この象形文字は古代アトラス文明のものに非常に良く似ている。
いや、おそらくはアトラスそのものだろう。
数点の遺物があることから、実在したと言われているその大陸。
その繁栄、崩壊、歴史上から消え去った過去。
すべてにおいて謎が多い、浪漫溢れる文明だ。
こいつがモノホン、だったらの話だがな。」
ニヤリとしたロドスは文字をすっとなぞる。
とても自然に蒼白い光を出したことにエイベルは驚きを隠せなかった。
「お、お前…なぜそれが!? その現象は珍しいものでは無いのか?」
驚きを隠せないエイベルにロドスは説明するように話す。
「いいや、アトラスは光を操る民として過去の文献にも少し出てくるが。
だが、はっきり言ってアトラスの遺物の、その全てが非常に珍しいんだ。
ただオレはアトラス言語をいくらかは理解しているつもりだ。
『真の管理者、刻印に触れよ。
導かれしモノに安息を、忌わしきモノに裁きを。』
そういう感じの文章が刻印してある。
だが、この程度の光ではまだ解らないな。
モノホンか贋物か?
アトラスの遺物は、裏マーケットでも数は少ないが出回っている。
こういう風に発光するものも、なかにはある。
正直言ってアトラス品は情報が少なすぎて、調査も遅れているのだろう。
…なぁ エイベルよ、こいつを7日間オレに預けてくれないか?」
そう言うと、こちらの返事も聞く前に板をカバンに仕舞いこんでいる。
まったく、相変わらずのやつだ。
まあ、信用のできる男だから安心してはいるがな。
「ロドス!7日間だけだぞ!? そいつはジューンに返さなきゃならんからな!
それは、あいつのものだ。
あいつめ、その板を持ってもう一度沖へ出るなんて言っているんだよ。」
一度遭難して生死の境を彷徨ったかも知れない息子。
その息子がまた、同じ道を行こうというのに。
僕はなにを楽しそうに話しているのだろう。
だが見ると、話を聞いているロドスも楽しそうに笑っていた。
「ほう、そうかッ!? そんときゃオレも一緒に行くぜ!!
面白くなってきやがったなァ。 ……よし、準備完了。
じゃあ、帰るぜ。 7日後、またこの時間に来るからな。」
そう言うと、ロドスは どすどすと歩いて扉を開けて出て行った。
episode7 atlas & loads ~second part~
廊下にいるセディに挨拶しているのだろう…「グッバイ!!」なんて聞こえてきた。
ふふっ、慣れない横文字使うなって。
「ご機嫌ですね、ロドス教授。」
セディが扉を閉めながら言ってきた。
「ああ、動力機械の事でね… 頼りにしてるって話してね。
少し調べ物を頼んだんだよ。 ああ、7日後にまたロドス来る予定だから。
今日と同じ時間だ。 …空いてるよね!?僕。」
セディは冷静に微笑み、そして頷いた。
「はい、調整いたします。 …では次官、本日の来訪予定者は終了いたしました。
私は秘書室にて少し書類を作成いたしますので、御用の際にはベルにてお呼び下さい。
では、失礼いたします。」
もう一度冷静の微笑むと、すっと扉を閉じていった。
カツカツ…という彼女らしい足音が廊下で響きながら離れていく。
「さてと…」
エイベルは自分の席に着くと両肘を机について右手を顎に持っていく、考え事をする時のポーズになっていた。
ロドスのやつ、アトラス文明と言っていたな。
僕は、あまりというかほとんど、そのアトラスってやつを知らない。
いわゆる学校で学ぶ世界史には、その文明は出てこない。
伝説上の大陸ってやつだ。 そういう意味では、実は僕も結構興奮している。
あの板についてロドスがどういう見解を示すのか、楽しみだな。
さて、僕には僕のやるべき仕事(ではないが…)がある。
あの発光エネルギーを動力源として、舟を動かす事が出来るのではないだろうか。
たとえ微々たるチカラであっても、人力のみよりはマシなはずだ。
外海まで出る際の身体への負担を大幅に軽減できるだろう。
帰宅したら、この数日間収集したデータをまとめてみようか。
エイベルは黙々と計画案を考えながら、今日の仕事の残りをこなしていった。
数分間、板を凝視していたロドスが振り返って聞いてきた。
その表情は先程までとはまるで違う。
空気を切り裂くような、その鋭い眼光は思わず息を飲むほどのものだった。
エイベルは瞬時に、この板の真の価値の大きさを理解した。
「あ、ああ。 それは息子が海で拾ってきたものなんだ…。
お前も知っているだろう…去年の夏、ジューンが行方不明になった事件。」
「おう、あれか。 …それで?」
ロドスは板から目を離す事なく返事をしている。
「一週間、まるで行方が判らなかった。
本人も漂流している間、どれだけの時間が流れたのかはよくわからなかったらしい。
記憶も飛び飛びになっているようだが。
最終的に救助されたとき、そいつが服のポケットの中に入っていたと言うのだ。」
「ほう…。
ジューンが助け出されたのは、確か海岸より約5000メルラ沖だったな。
…ヴェールステラ絶対海域よりも、さらに沖合いだ。
その未知なる領域に、古代の奇跡が眠っている可能性があるというのか。」
板を見ながらロドスは話し続けた。
「この象形文字は古代アトラス文明のものに非常に良く似ている。
いや、おそらくはアトラスそのものだろう。
数点の遺物があることから、実在したと言われているその大陸。
その繁栄、崩壊、歴史上から消え去った過去。
すべてにおいて謎が多い、浪漫溢れる文明だ。
こいつがモノホン、だったらの話だがな。」
ニヤリとしたロドスは文字をすっとなぞる。
とても自然に蒼白い光を出したことにエイベルは驚きを隠せなかった。
「お、お前…なぜそれが!? その現象は珍しいものでは無いのか?」
驚きを隠せないエイベルにロドスは説明するように話す。
「いいや、アトラスは光を操る民として過去の文献にも少し出てくるが。
だが、はっきり言ってアトラスの遺物の、その全てが非常に珍しいんだ。
ただオレはアトラス言語をいくらかは理解しているつもりだ。
『真の管理者、刻印に触れよ。
導かれしモノに安息を、忌わしきモノに裁きを。』
そういう感じの文章が刻印してある。
だが、この程度の光ではまだ解らないな。
モノホンか贋物か?
アトラスの遺物は、裏マーケットでも数は少ないが出回っている。
こういう風に発光するものも、なかにはある。
正直言ってアトラス品は情報が少なすぎて、調査も遅れているのだろう。
…なぁ エイベルよ、こいつを7日間オレに預けてくれないか?」
そう言うと、こちらの返事も聞く前に板をカバンに仕舞いこんでいる。
まったく、相変わらずのやつだ。
まあ、信用のできる男だから安心してはいるがな。
「ロドス!7日間だけだぞ!? そいつはジューンに返さなきゃならんからな!
それは、あいつのものだ。
あいつめ、その板を持ってもう一度沖へ出るなんて言っているんだよ。」
一度遭難して生死の境を彷徨ったかも知れない息子。
その息子がまた、同じ道を行こうというのに。
僕はなにを楽しそうに話しているのだろう。
だが見ると、話を聞いているロドスも楽しそうに笑っていた。
「ほう、そうかッ!? そんときゃオレも一緒に行くぜ!!
面白くなってきやがったなァ。 ……よし、準備完了。
じゃあ、帰るぜ。 7日後、またこの時間に来るからな。」
そう言うと、ロドスは どすどすと歩いて扉を開けて出て行った。
episode7 atlas & loads ~second part~
廊下にいるセディに挨拶しているのだろう…「グッバイ!!」なんて聞こえてきた。
ふふっ、慣れない横文字使うなって。
「ご機嫌ですね、ロドス教授。」
セディが扉を閉めながら言ってきた。
「ああ、動力機械の事でね… 頼りにしてるって話してね。
少し調べ物を頼んだんだよ。 ああ、7日後にまたロドス来る予定だから。
今日と同じ時間だ。 …空いてるよね!?僕。」
セディは冷静に微笑み、そして頷いた。
「はい、調整いたします。 …では次官、本日の来訪予定者は終了いたしました。
私は秘書室にて少し書類を作成いたしますので、御用の際にはベルにてお呼び下さい。
では、失礼いたします。」
もう一度冷静の微笑むと、すっと扉を閉じていった。
カツカツ…という彼女らしい足音が廊下で響きながら離れていく。
「さてと…」
エイベルは自分の席に着くと両肘を机について右手を顎に持っていく、考え事をする時のポーズになっていた。
ロドスのやつ、アトラス文明と言っていたな。
僕は、あまりというかほとんど、そのアトラスってやつを知らない。
いわゆる学校で学ぶ世界史には、その文明は出てこない。
伝説上の大陸ってやつだ。 そういう意味では、実は僕も結構興奮している。
あの板についてロドスがどういう見解を示すのか、楽しみだな。
さて、僕には僕のやるべき仕事(ではないが…)がある。
あの発光エネルギーを動力源として、舟を動かす事が出来るのではないだろうか。
たとえ微々たるチカラであっても、人力のみよりはマシなはずだ。
外海まで出る際の身体への負担を大幅に軽減できるだろう。
帰宅したら、この数日間収集したデータをまとめてみようか。
エイベルは黙々と計画案を考えながら、今日の仕事の残りをこなしていった。
【テーマ:自作小説(ファンタジー)】【ジャンル:小説・文学】
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